銀歯が嫌な方必見!PEEK冠(ピークかん)を知っていますか?

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 昔と違い今は健康保険を使った治療で、すべての歯に白いかぶせ物が入れられるようになりました。銀歯は嫌だという方に新しい治療法のご紹介です。

 以前は、健康保険内の治療で一番奥の歯に使える材料は金属(写真右)だけでした。金属アレルギーにならないか心配という声や、銀色の金属色が嫌だという声をよく聞きます。しかし最近の保険の改定で、白いプラスチック素材のPEEK冠(ピークかん)(写真左)の使用が認められました。PEEKについては後で詳しく説明しますが、とにかく今まで保険で白いかぶせ物に出来なかった歯も白い歯に出来るようになったということです。
 PEEKはとても粘り強くて割れにくい素材であり、天然の歯や従来のプラスチック素材(写真中央)の白さとは違いますが一応白い色をしているので多くのメリットがあります。しかし導入直後ということもあり大規模で長期的な臨床データが全くありません。今後どのような問題が起きるか予測できないのが最大のデメリットと言えます。このため歯科医師の判断によってはこの治療法を提供できないこともありますが、保険治療でも金属以外の方法があるということは覚えておいて損はありません。



 PEEK(ピーク)とはポリエーテルエーテルケトン (poly ether ether ketone)の略で、耐熱性、耐薬品性・耐摩耗性・耐加水分解性・電気的特性に優れ、医療以外にも自動車、OA機器などに広く用いられているスーパーエンジニアリングプラスチックです。歯科では粘り強くて割れにくい素材として、インプラントなどの自費治療で使われています。2023年12月1日からCAD/CAM冠(キャドキャムかん)の材料として保険適用となりました。

 CAD/CAM 冠(キャドキャムかん)とは、プラスチックのブロックから機械を使って削り出して作るかぶせ物です。

歯科技工士 村澤

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